ハナザクロ
 青果としてのザクロは、近所のスーパーで見かけることは、週に3、4回はスーパーへ出かける私だが、これまで一度も無い。であるが、植物としてのザクロは身近にある。私の住む近所の民家に1本、宜野湾市の職場の近くにある民家の庭にも1本あり、年に何十回もそれらを私は見ている。花の咲く頃、実の生る頃もたびたび見ている。
 ザクロを食べた経験もある。ある会社の庭に生っていたのを失敬した。もう20年以上前のこと、窃盗かもしれないが、時効になっているだろう。
 20年以上も前のことだが、酸っぱかったのと、種が多くて食べ辛かったことを覚えている。で、「たいして美味くないもの」というのが、私のザクロに対する評価となる。以降、近所の庭に生っているザクロの果実を見ても失敬しようとは思わない。もちろん、ザクロが「たいして美味くないもの」だからでは無く、「庭の実くらい」と思っていた青年は、「庭の実でも」と思うオジサンになったからだ。
 実では無く花を楽しむザクロもある。末吉公園の近くの民家で見つけた。初めザクロとは知らなかったが、写真を撮って調べたところ、ハナザクロという名前。ところで、他人の家の庭に咲く花を取ってはいけないが、撮るのは罪ではないだろうね。

 ハナザクロ(花石榴):添景
 ザクロ科の落葉高木 園芸品種 方言名:ハナザクル
 ザクロの一品種。通常は結実せず、主に花を観賞することからこの名がある。八重咲きであることからヤエザクロ(八重石榴)ともいう。
 ザクロはペルシア・インド原産で、『寺崎日本植物図譜』に「高さ5m、時には10mに達し」とあり、広辞苑にも「高さ5〜10m」とあった。しかし、私はそのような大きなザクロを見たことがなく、『沖縄植物野外活用図鑑』にも「高さ3m」とあるので、沖縄ではそう大きくならないのだろうと判断し、本HPのザクロの説明には「高さ3m」としてある。本種ハナザクロもまた、私の見た限りでは高さ3m程度。
 ザクロの開花期についても本土と沖縄で違いがある。広辞苑には6月頃、『庭木と緑化樹』には「6〜7月」とあるが、『沖縄園芸大百科』では「5〜12月」となっている。私の経験ではもっと早くから咲いている。本種の開花期についての資料は無いが、文献の写真は5月、私の写真は4月。その後、12月まで咲いているかどうか未確認だが、性質は本家のザクロとほとんど同じだと思われるので、開花期も同じとしておく。『沖縄植物野外活用図鑑』には「多花性で花期も長い」とあった。花が八重咲きであることが特徴。赤色の他、白色種、白覆輪種がある。ちなみに学名、
 ザクロ Punica granatum L.
 ハナザクロ Punica granatum L. cv. Pleniflora

 花
 記:島乃ガジ丸 2009.5.14  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
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