ハマジンチョウ
 暖かい日が続いている。2月に入ってから数日は沖縄も冬であったが、7日以降の那覇の最低気温はずっと15度を超えている。お陰で、火鉢に炭を熾せない。私の冬の楽しみが減っている。困ったもんだ。今期の冬は毛布を出していない。我が家唯一の強力な暖房器具である蒲団乾燥機もまだ、一度も使っていない。
 今、これを書いているのは2月18日、午後1時、昨夜来の雨は上がっているが、空は曇っている。部屋の気温は23度。暖かい。私は半袖Tシャツ姿である。昨日、家から歩いて、首里城近辺を散歩し、石畳道を下りて、金城ダムを散策し、そこから近くの飲み屋まで歩いた。Yシャツに薄手のジャケットを羽織っただけの格好であったが、途中から私は汗を滲ませていて、飲み屋でのビールがとても旨かった。

 前述したが、2月の初めは寒かった。その頃のニュースで、「富祖崎海岸のハマジンチョウが、来週辺り満開になる」というのがあった。で、その来週となった2月9日に、満開のハマジンチョウの写真を撮りに出かけた。前述したが、2月7日以降は急に暖かくなった。富祖崎海岸のハマジンチョウはこの暖かさで、どうやら開花が早まったようであった。盛りを少し過ぎているみたいであった。地面に落ちた花が多くあった。
 ハマジンチョウの存在は知っており、図鑑で見て、その花の色形もあるていど覚えていた。富祖崎海岸はさすが、ハマジンチョウで有名なだけあって、その群落は大きく目立った。探すまでも無く、公園に入るとすぐにそれと判った。

 ハマジンチョウ(浜沈丁):公園・海岸
 ハマジンチョウ科の常緑低木 九州以南、南西諸島、他に分布 方言名:ハマヒルギ
 海岸に自生し、花が沈丁花に似ているのでハマジンチョウ(浜沈丁)という名前とのこと。参考にしている沖縄の植物に関する本にはジンチョウゲが無い。沖縄には自生が無いのであろう。でも、私は旅先でジンチョウゲを見ている。ジンチョウゲの花とハマジンチョウの花が似ているかどうかは、しかし、脳力の衰えた私は思い出せない。なお、ジンチョウゲはジンチョウゲ科で、ハマジンチョウはハマジンチョウ科。
 東南アジアの熱帯・亜熱帯の海岸に自生し、日本では九州南部以南に見られる。沖縄では海岸の湿地に群生している。ハマジンチョウの生えている辺りから海より、海水に浸る辺りにはオヒルギ、メヒルギなどが生育する。ヒルギとは見た目の形状が違うが、葉が革質で光沢がありヒルギに似ており、浜の側にあることからハマヒルギという方言名。
 高さは2mほど。内陸部に植栽するとかなり大きくなるとのこと。花は漏斗形をしていて、薄紫の下地に紅紫色の縦線が幾筋も入る。開花期は1〜2月。
 佐敷町(現在は南城市)富祖崎海岸のハマジンチョウ群落は沖縄県指定の天然記念物となっている。写真はそこで撮ったもの。

 花1

 花2

 実

 ちなみにジンチョウゲ(沈丁花)は、
 ジンチョウゲ科の常緑低木 中国原産
 高さは1mほど。管状の花、色は紫赤色または白色。強い芳香がある。
 記:島乃ガジ丸 2007.2.17  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
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