ゴモジュ
 植物の漢字表記には少し興味があって、このガジ丸HPで紹介する植物もできるだけ漢字名を載せるようにしているが、分からないものも少なくない。先ず広辞苑で調べて、それに無い場合は、下に挙げた参考文献の全てを開く。それでも分からない場合、ネットで調べている。ただし、ネットの場合は、私自身がそうなので、その情報の出自が由緒正しいかどうか不安がある。よって、その場合は基本的に漢字は載せないことにしている。
 今回のゴモジュ、『新緑化樹木のしおり』に漢字表記としてでは無く、名前の由来として「琉球の王城の門前にあった木ということで、御門樹・・・云々」とある。ならば、漢字表記はどうなっているのかと他の文献を調べたが、無い。で、ネットで調べた。いくつかのサイトに五毛樹、五門樹などの表記があった。しかし、五つの毛の樹とか、五つの門の樹とかより、首里城の御門の前に植わっていた樹というのが歴史を感じさせて良い。確認はしていないが、良い名前なので、『新緑化樹木のしおり』にある由来通りに漢字を御門樹とした。
 金曜日の職場の、陽光のほとんど射さない花壇、奥行き1m、長さは30mほどある場所にゴモジュを植えた。生産者から「ゴモジュは陰でも十分育つ」と聞いたからだ。2列にして計200本ほどを植えた。「陰でも十分育つ」ゴモジュではあったが、数年後にはそのほとんどが枯れた。陰のせいでは無い。おそらく、水枯れのせい。職場の他の人は水かけをしない。1週間に1回しか行かない私も、毎週水をやっているわけではなかった。たぶん、月に1回ほどではなかったか。いかに丈夫な木でも、世話する人間が怠け者では、生きていけなかったのであった。

 ゴモジュ(御門樹):添景・生垣
 スイカズラ科の常緑低木。原産分布は奄美、沖縄、台湾、他。方言名:グムル
 成長しても高さは3mほどまでにしかならない。中木の段作りもできるが、枝の分岐が多く、強い刈込みに耐えるので生垣や刈込み物として多く使われる。耐陰性があるので、庭の陽光のあまり当らない箇所の植栽にも向く。
 葉には独特の匂いがある。私には漢方薬のような匂いに感じられ、好きでも嫌いでもないが、臭いといって嫌う人もいる。花は甘い匂いがする。白い小さな花はあまり目立たないが、蝋細工のようできれい。かたまって密につける。開花期は1月から3月。

 実
 記:島乃ガジ丸 2005.5.28  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
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