ギンイチョウ
 家から徒歩30分ほどの場所にある末吉公園は、首里の原生林が一部残っている大きな公園で、そこには年に5、6回、散歩に通っていた。宜野湾市にある、私の金曜日だけの職場へ行く途中に琉球大学があり、そこへは年に3、4回、散歩に通っていた。
 何か花は咲いていないか、実は付いていないか、虫や鳥が近くにいないかなどと意識して末吉公園や琉球大学を散歩するようになったのは、このガジ丸HPを始めるようになった3年ちょい前からのことである。どちらも広々として、緑が多く、のんびりとした散歩が楽しめる。私の好きな散歩場所となっている。しかしながら今年は、母の見舞いなどがあって、のんびり散歩という余裕があまり無かった。末吉公園には2度ばかり行っているが、琉球大学は、私の記憶が正しければ、一度も行っていない。
 今年はともかく、去年までは「まだ写真を撮っていない植物はないか」と気をつけながら、たびたび散歩を楽しんでいた末吉公園、及び琉球大学では見かけなかった植物を、去年の秋、北海道大学付属植物園で見た。その名はギンイチョウ。

 私が参考にしている植物関係の本は、そのほとんどが沖縄に生息している植物を紹介したものである。ギンイチョウは、その中の『新・緑化樹木のしおり』と『沖縄植物野外活用図鑑』に掲載されている。沖縄では鉢物や庭木として見かけるもののようだ。だけど、私はまだ、沖縄でそれを見ていない。もしかしたら、植物は「私だよ」と声をかけてくれないので、私が気付いていないだけなのかもしれない。

 ギンイチョウ(銀公孫樹):花壇・鉢物
 スベリヒユ科の常緑低木 原産分布は南アフリカ 方言名:なし
 『新・緑化樹木のしおり』や『沖縄植物野外活用図鑑』にはギンイチョウという名前で載っていた。写真を撮った北海道大学植物園でもギンイチョウという名札であった。が、インターネットで検索すると、ギンイチョウではほとんど無くて、イチョウギやポルツラカリアという名前での件数がはるかに多かった。
 イチョウを漢字にすると銀杏である。したがってギンイチョウは銀銀杏となる。変な感じになる。で、イチョウギという名前になったのかもしれない。イチョウギなら銀杏木と書いて、変な感じにはならない。がしかし、私は、私の参考文献と北海道大学植物園に敬意を表し、ギンイチョウを選択することにした。イチョウは銀杏の他、公孫樹とも書く。これなら銀公孫樹となって、字面も申し分ない。ポルツラカリアは属名。
 名前の由来は参考文献に記載が無く不明。ごく小さな葉だが、形がイチョウに似ているからイチョウで、葉に毛があって銀色に光るところからギンということかもしれない。
 高さは1mほどになる。花は小さくて目立たない。花壇にも使えそうだが、鉢物として多く見かける。よく陽があたり、乾燥した場所を好む。陽光地を好むが耐陰性も強い。成長が速く、枝が暴れたりするので、適宜剪定し形を整える。

 花
 記:島乃ガジ丸 2007.11.23  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
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