ギンバイカ
 テレビは、私は8チャンネル(フジテレビ系)のファンである。私の家のテレビは室内アンテナで、8チャンネル以外映りが悪いことから必然的にそうなっている。
 平日は金曜日を除いて、家で昼飯を食べている。昼飯食いながらテレビを観ている。平日の、お昼の8チャンネルは『笑っていいとも』となっている。『笑っていいとも』を観ているお陰で、私は最近の流行り物を多少は知っている。30歳のロリ顔、ほしのあきもそれで知った。大沢親分の孫娘がタレントになっていることも知っている。三船敏郎の娘がロック歌手と結婚して、タレントとして活躍していることも知っている。
 今、人気のお笑い芸人たちのこともある程度知っている。「ヒロシです」を知っているし、「あるある探検隊」を知っているし、「武勇伝、武勇伝」も知っている。そして、タカandトシとかいうコンビも知っている。タカandトシが私の記憶に残っているのは、彼らの決まりゼリフである「おうべいか!」のお陰である。ウチナーグチ(沖縄口)を知っているウチナーンチュなら、その多くが私と同じように感じたと思うが、「おうべいか!」は、私には「オーベーか」に聞こえるのだ。
 オーベーは、沖縄では青蝿のこと。青蝿は金蝿とも言い、「クロバエ科のハエのうち、体に金緑ないし青緑色の光沢を持つものをいう」(広辞苑)とのこと。

 銀蠅は、「ニクバエ科やクロバエ科などの大形のハエのうち、体に銀色の光沢を持つものの俗称」(広辞苑)であるが、ギンバエのことをウチナーグチではギンベー、またはギンバイと言う。今回紹介する植物のギンバイカは、漢字で銀梅花と書き、何ともきれいな名前ではあるが、カタカナでギンバイカを見ると、私はきれいなものを想像しない。「おうべいか!」からの連想で、「銀蠅か!」とイメージしてしまう。

 ギンバイカ(銀梅花):花壇・刈込
 フトモモ科の常緑低木 地中海沿岸〜西部アジアの原産 方言名:なし
 フトモモ科の花は、バンジロウ、ピタンガなどが身近にあるが、雄しべが多く、長くてよく目立つ。本種もそのようになっていて、「フトモモ科かも」と予想がつく。だけど名前は梅花となっている。小さな花は梅に似てなくも無い。白いので銀がつく。
 『寺崎日本植物図譜』に「葉は古代のエジプト、ギリシャ、ローマでは祝祭に用いられ・・・」とある。地中海沿岸では古代から知られ、利用されていた植物みたいである。月桂冠(酒では無い、勝利の冠)に月桂樹と共に使われるとのこと。『沖縄植物野外活用図鑑』に別名としてイワイノキとあったが、それは、それに因んでいるのだろう。
 高さは2mていど。芳香のある白い花、開花期について文献に記載が無かったが、文献の写真は8月、私の写真は11月、ということで、沖縄での開花期は夏から秋。
 葉は、揉めば芳香があるとのこと。葉から採れる油は薬用になるとのこと。

 花
 記:島乃ガジ丸 2007.3.15  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
inserted by FC2 system