ベニヒモノキ
 国立海洋博記念公園は沖縄島北部、本部町(もとぶちょう)にある。那覇市首里石嶺町にある私の住まいから一般道路だと、車で約2時間かかる。2時間もかかるので、「今日はちょっと海洋博へ行ってみるか」などと気軽には行けない。倭国から友人知人が来て、観光案内をするなどの”ついで”がないと、なかなか往復4時間は費やせない。
 植物について私が参考にしている本のうち、『新緑化樹木のしおり』か『沖縄の都市緑化植物図鑑』のどれか1冊でいいから、その掲載されている植物のほとんどをこのHPで紹介することを私は目標にしている。『沖縄の都市緑化植物図鑑』は海洋博覧会記念公園管理財団による編集なので、海洋博公園に行けば、掲載されている植物の多くがあるに違いないのである。行って、写真を撮れば、目標達成に近付くのである。

 その”ついで”が今年の9月にあった。鹿児島から友人のNが遊びに来て本部町まで行った。しかし、海洋博公園へは寄らなかった。去年Nが遊びに来たとき、海洋博公園へは一緒に行ったので、今回は別の名所ということになったのだ。で、私の海洋博公園訪問はご無沙汰となっている。ところが、北海道旅行で、海洋博公園に行けばきっとあるであろう熱帯亜熱帯植物のいくつかの写真が撮れた。北国で撮れた。WHY?
 北海道大学植物園の一角に熱帯植物を展示してある温室があった。熱帯性であるランや果樹の他、南方系庭木も多くあった。ベニヒモノキもその一つ。

 ベニヒモノキ(紅紐の木):生垣・刈込
 キツネノマゴ科の常緑低木 原産分布は西インド諸島 方言名:なし
 アカリファと同属で全体の形状、葉、花の形状などもよく似ている。本種は花が紅く、小さなものが穂状に多くついて、全体には毛の生えた紐のように見える。和名のベニヒモノキは、それを紅い紐と見立てての名。英語名では「紅い猫のしっぽ」ろか「キツネのしっぽ」とかいう名前になるらしい。西洋人は動物のしっぽに見立てたわけである。花穂は50センチほどに伸びるので、尾よりは紐に見える、と私は和名に軍配を上げる。
 高さは3mほどになるが、萌芽力が強く刈込みに耐えるので、生垣にしたり、丸く四角く形を作ったりして、添景としても使える。陽光地を好むが強風には弱いので、風当たりの少ない場所に植えると良い。成育が良好なら紅い紐は周年咲いている。成長は速い。

 花

 沖縄産
 記:島乃ガジ丸 2006.11.4  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
inserted by FC2 system