ベニデマリ
 サンタンカは近所の民家にあり、職場にもあり、公園などでもよく見かける。それぞれ多少の違いはあれど、そのどれもサンタンカであると私は認識していた。ところが、花びらの先が丸いものがサンタンカで、尖っているものはベニデマリと分けられているとのこと。ただ、似ているだけあって、どれも同じアカネ科サンタンカ属。
 職場にあるのはコバノサンタンカ(ミニサンタンカともいう)とジャワサンタンカという種らしい。これらは花びらの先が尖っているのでベニデマリということになる。近所の庭にあるものは花びらの先が丸いのでサンタンカ。どっちでもいいや、と思うが。

 大雑把な性格の私が「どっちでもいいや」と思っているサンタンカとベニデマリ、一般的(沖縄限定の一般かも?)にも「同じようなもの」とされ、どちらもサンダンカ(タがダと濁って発音)と呼ばれている。沖縄の植物を紹介している由緒正しい文献にもサンダンカとベニデマリの写真が同ページに載って、サンダンカと紹介されている。
 そこで、あまのじゃくな性格の私は、「一般がそうならば」とニヤリと笑い、サンタンカとベニデマリを別々に紹介することにした。サンタンカとベニデマリを同ページで紹介したのは2004年7月のこと、それから7年も経ってからの訂正だ。大雑把であまのじゃくである私はまた、とてものんびり屋な性格でもある。

 ちなみに、もう一つサンタンカに似た植物でクササンタンカというのがある。ペンタスという名でよく知られているアカネ科ペンタス属の多年生草本類。見た目違うし、なにしろ草なので、これは、どっちでもいいや、とはいかない。

 ベニデマリ(紅手毬):花木・切花・生垣
 アカネ科の常緑低木 インド原産 方言名:サンダンクヮ
 紅い花が毬(まり)状にかたまって咲くことからベニデマリという名前。別名にコバノサンタンカ、ミニサンタンカがある。他のサンタンカ類に比べ葉が小さいことから小葉、全体的にもこじんまりとした樹形となることからミニとつく。
 サンタンカもベニデマリも、ジャワサンダンカもサンダンカスーパーキングも同じイソクラ属で、それぞれイソクラ・○○という名前で紹介している文献もある。
 沖縄ではサンタンカもベニデマリもサンダンクヮと呼び、区別は無い。ただ、両者、見た目に違いがはっきり判る。サンタンカは花弁の先が丸く、ベニデマリ尖っている。それぞれに品種があり、花色に白、黄色などがあるが、基本種はサンタンカは橙色、ベニデマリは紅色。ベニデマリはサンタンカに比べ開花期も短く4から6月。
 高さは1mほどになる。剪定が効き、分枝も多いので刈り込んで生垣なども作れる。酸性土壌で、よく日の当たる場所を好む。カイガラムシがつきやすい。
 学名、ベニデマリIxora coccinea L.
 サンタンカIxora chinensis Lam. 
 黄花

 橙花

 白花
 記:2011.6.7 島乃ガジ丸  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
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