アブチロン
 今では滅多に行かないが、首里石嶺に住んでいる頃は頻繁(週に1、2回)に通っていたRスーパーで、高校の同級生の女房T子(彼女も同じく同級生)にたまに(年に1、2回)出会うことがあった。彼女の住まいは那覇新都心にある。新都心にはスーパーがたくさんあり、首里石嶺よりずっと便利だ。最初にばったり会った時、
 「えっ、何でこんな所まで買い物に?」と訊いた。
 「この近くのジャザサイズ教室に通っている、その帰りに買い物する」との答え。

 今でもたまに行っているが、首里石嶺に住んでいる頃は頻繁(週に1、2回)に通っていたSスーパーの、駐車場の裏手にダンス教室がある。後で知ったことだが、そこがT子の通うジャザサイズ教室であった。ジャザサイズって何だ?・・・たぶん、ジャズダンスを元にしたエクササイズのことであろう。言葉を合成してジャザサイズだ。
 そのジャザサイズ教室の駐車場には花壇があって、そこに知らない花が咲いているのを見つけた。形は以前紹介したショウジョウカに似ている。ので、その類であろうと調べ、私の推理は見事に当たり、正体はすぐに判明した。

 アブチロン(Abutilon):添景・生垣
 アオイ科の常緑低木 南米原産 方言名:なし
 アブチロンという名前で流通しているが、それは学名の属名Abutilonから。園芸店ではまた、種名のヒブリドゥム(hybridum)まで名前とすることもあるらしい。このヒブリドゥム種に自然交配や園芸品種として作られたたくさんの品種があって、それらを総称してアブチロンという名前になっているとのこと。
 以前(2006年4月)に紹介したショウジョウカ(猩々花)もアブチロン属の一つ。ただし、ショウジョウカと和名のあるものはAbutilon striatum Dicksonという学名になっていて、本種Abutilon hybridum類とは別種。
 高さは2m程度、枝が細く枝先が垂れ下がる。花は下向きに咲き、品種により花色も白から黄、紅色までいろいろ。開花期については、「冬季を除き開花するが、春から初夏にかけて多く見られる」と『沖縄園芸百科』にあった。私の写真は4月。

 花
 記:島乃ガジ丸 2013.1.22  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行
 『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行
 『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行
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