オオバナソシンカ
 ソシンカと名が付くもののうち、フイリソシンカ、オオバナソシンカ、ムラサキソシンカの3種は目にする機会が多い。フイリソシンカとオオバナソシンカは似ていて、どっちがどっちやら今でも迷うのだが、ちょっと大きな公園へ行けばどちらかがたいていある。ムラサキソシンカは末吉公園にあり、職場の庭にもある。目にする機会が多いので、この3種は早い時期に写真も撮れて、早い時期にガジ丸HPで紹介している。

 紹介する上で私は、フイリソシンカ、オオバナソシンカを高木に、ムラサキソシンカは中木に分類したが、その分類、じつは、ちゃんとした根拠があってのものでは無い。参考にしている文献でも、高木としてあるもの、中木としてあるもの、低木としてあるものがあり、どっちにしようか悩んだ挙句、何となく、これは高木、あれは中木とした。
 「何となく」では植物を紹介している立場上いかがなものか、と6年余が過ぎた今、思ってしまった。で、今回、改めて「高木とは何、中木とは何」を調べた。広辞苑。
 高木
 1、高い木。普通、人の背丈以上のもの。
 2、〔生〕枝と明瞭に区別できる幹があり、樹下を人が立って通れる樹木。
 低木
 1、丈の低い木。普通、人の背丈以下のもの。
 2、〔生〕背丈は低く、幹は根際で枝分れし、幹と枝との区別が不明瞭なもの。
 とのこと。中木という項目は無かった。造園事典とかの専門書ならば中木もあり、それぞれに細かい説明があるかもしれないが、手元に無い。で、私なりに考えた。
 中木
 1、人の背丈以上で、幹と枝との区別が不明瞭で、樹下を人が立って通れ無い樹木。

 そういうわけで、前に高木として紹介したフイリソシンカとオオバナソシンカはどちらも中木の類に変更。「樹下を人が立って通れ無い」に当たる。

 オオバナソシンカ(大花素芯花):花木・添景
 マメ科の常緑中木 栽培雑種(広東省、香港) 方言名:なし
 名前の由来、ソシンカについては資料が無く不明。素は「白色、無地」(広辞苑)で、芯は「中心部分」(〃)とある。よって、素芯花は「中心部分が白色、または無地の花」という意味になるが、そうは見えない。ソシンカの原種がそうなのかもしれない。
 別名にホンコンオーキッドツリーとアカバナハカマノキというのがある。ホンコンオーキッドツリーは英語名のHongkong Orchid treeで、フイリソシンカと同じく花が蘭に似ているところから「香港の蘭の木」という意。フイリソシンカと同じく葉が羊の蹄に似ている。で、フイリソシンカの別名はヨウテイボク(羊蹄木)なのだが、本種は羊の蹄の形を「袴の形」にしている。確かに葉の形は「袴」のようにも見える。で、「赤い花の葉が袴の形をした木」という意味で、アカバナハカマノキ(赤花袴の木)となる。
 高さ3〜5mほどで、民家の庭の花木としても使いよい。陽光を好み、風当たりの弱いところでよく開花する。花色は赤紫、開花期は11月から4月。香港の市花。
 フイリソシンカとよく似ている。フイリソシンカは花色が桃色で、花弁の1枚だけが濃く、開花期は11月から4月。また、フイリソシンカは花弁の幅が少し広い。
 学名は、オオバナソシンカBauhinia Blakeana S.T.Dunn
 フイリソシンカBauhinia variegata L.

 花
 訂正追記:2011.1.29 ガジ丸
 記:島乃ガジ丸 2005.4.9  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
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