キンレイジュ
 近くにオフィス街のある大きな公園(代々木とか新宿御苑とか)の、昼食時の風景をテレビで見ることがある。公園にはたくさんの人がいて、そこここで弁当を食べている。食べている人は概ねサラリーマンとかOL。いかにも都会的な風景だなあと思っていた。沖縄の公園で弁当を食っている人といえばたいてい、肉体労働者であるからだ。しかし、それは私の不明だった。「何年か前まではそうであった」に訂正する。
 2、3ヶ月前のある日、那覇市の与儀にある県立図書館へ用があって出掛けた。与儀のバス停から図書館への間には与儀公園という大きな公園がある。その日は平日の金曜日、そして、ちょうど昼食時、与儀公園にはたくさんの人がいて、そこここで弁当を食べている。食べている人は概ねサラリーマンとかOLであった。
 昼飯時の与儀公園、思い返せば数年どころか、おそらく十年以上も私は訪れていない。昼間は肉体労働者、夜は浮浪者の憩いの場所であった十年以上前の与儀公園が今は、市街地の都会的な公園となって、会社員の憩いの場と変わってしまったようだ。

 公園の一角に、黄色いラッパ状の花を咲かせている木を見つけた。辺りには他に花を咲かせている木は1本も無かったので、高さ3mに満たない木なんだが、すごく目立っていた。・・・私には目立っていた。が、木の周りに人はいない。昼飯時の公園に集まったたくさんの人にとっては、昼食時なのである。花より・・・ということである。
 黄色い花の木、何という木なのか知らなかったので、写真を撮って調べた。

 キンレイジュ(金鈴樹):添景・花木
 ノウゼンカズラ科の常緑中木 原産分布は西インド・メキシコ 方言名:無し
 鮮やかな黄色い花を枝先に多数つける。その重みで枝が垂れ下がる形になる場合もあるほど。一つ一つの花は鈴の形をしており、そこから金鈴樹という名となっている。開花期は年に2回あり、3月から6月と9月から12月。真夏は樹木も暑いのだろう。
 陽光地を好み、成長は速い。高さは3〜5mほどにまでなる。樹形が乱れやすいので適宜、剪定を要する。別名としてタチノウゼン、キバナテコマなどがある。

 花
 記:島乃ガジ丸 2010.4.5  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
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