ヒメサザンカ
 埼玉から大学時代の友人KRが遊びにやってきて、その内の1日を海洋博公園見学に充てた。同じく大学の友人で沖縄在のKYも一緒。KRは「ちゅら海水族館」が目当て、その案内をKYに頼んで、私は一人別行動、公園内の植物散策とした。
 海洋博公園はできた当時(1975年)から何度も訪ねている。何度も訪ねて、植物に興味も持っていたのに、そこに植物園があることを知ったのはつい最近のこと。このガジ丸HPで植物を紹介するようになってから何年も経つのに、つい最近知った。

 ガジ丸HPを始めた頃から「いざとなれば東南植物楽園へ行こう」と思っていた。その「いざ」とは、多くの文献で紹介されているのに、まだ実物を探せないでいる植物の写真を「いざ撮りに行こう」の「いざ」。東南植物楽園へ行けばほとんどが揃っているだろうし、名札が付いているから図鑑と見比べて何者か調べる手間も省けるし、なのだ。
 ところが昨年末、東南植物楽園が閉園した。「いろんな種類の写真を撮りたいと思っていたのに残念だ」と思っていたら、「海洋博公園にも似たようなのがある」との噂を聞いた。で、埼玉からの友人KRと案内役の友人KYが『ちゅら海水族館』で「あっ、マンタだ!ジンベイザメだ!」と感動している間、私は一人、植物園散策となった。

 「あるわあるわ」であった。今までお目にかかれなかった植物たちが名札付きでわんさかと。その内の一つがヒメサザンカ。名前はずっと前から知っていたのに、お初。

 ヒメサザンカ(姫山茶花):添景
 ツバキ科の常緑中木 原産分布は琉球列島 方言名:ファンクヮ、ミーアヂク
 名前の由来、広辞苑にサザンカが載っており、「字音サンサクヮの転」とあった。字の意味するところから呼び名が付いたということ。字の意味は「山の茶の花」となる。サザンカはつまり、「山に咲く茶の花に似た花を付ける木」ということになる。本種は、そのサザンカより花が小さいことから「姫」と付くものと思われる。
 高さは5〜7m。文献によっては「8mに達する高木」とするものもあるが、ここでは多数決で中木。私が見たものはいずれも2m程度。
 よく分枝し、花が多く付き、庭の添景に向く。剪定も効くので生垣としても使える。サザンカは四国から南西諸島に自生するが、本種は琉球列島の固有種。
 花はサザンカより小さく3〜4センチ、白色で芳香がある。開花期は12〜3月。
 学名、本種はCamellia lutchuensis、サザンカはCamellia sasanqua

 花
 記:島乃ガジ丸 2011.2.23  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
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