ハテルマギリ
 300坪の畑を始めてからの植物、及び動物写真は、ほとんど畑と畑周辺のものとなっているが、以前はあの海この海、あの山この山、あの町この町、あっちの公園こっちの公園を歩いて撮っていた。数年前(中には10数年前のものもあるが)の写真を見て、この木この花どこで撮ったのかは、老化した私の脳は蹴っても殴っても思い出せない。ただしかし、この木この花をどこで撮ったのかは、ちょいと調べれば判る。写真の撮影日時を見て、その日の日記を開けばその日その時私がどこにいたかがほとんど判る。

 ハテルマギリの写真が5枚ある。もちろん、それらの5枚はハテルマギリと知って撮ったのではなく、後日、調べてそうであると判明したもの。この内2枚は2011年9月17日で、残る3枚は2012年9月10日と日付けされている。早速どこで撮ったかを日記を開いて調べる。2011年は波照間島、2012年は多良間島であった。
 と知って、「偉いぞ俺!」と膝を叩いた。おそらく、その名前の由来となっていると思われる波照間島でハテルマギリを見て、その写真を撮っている、「本家本元のハテルマギリだぜ」と思って、「でかした俺!」と思ったわけ。ところがどっこい、
 波照間島から1年後の多良間島で撮った3枚の写真の方がきれいに撮れている。ということで、ここで紹介する写真は多良間島のもの。・・・いや、やはり、本家本元に敬意を表して1枚だけは、実の写真だけは波照間島のものを使おう。武士の情けじゃ。

 
 ハテルマギリ(波照間桐):景観、防潮風 
 アカネ科の常緑中木 国内では宮古諸島、八重山諸島に分布 方言名:イバガサ
 名前の由来、資料はないが想像はつく。キリは高級箪笥の材料として有名なあの有名な桐。桐はゴマノハグサ科で本種はアカネ科と、ちっとも近くは無いのだが、葉の形が桐に似ているからであろう。ただ、私が見る限りでは、ハスノハギリ(ハスノハギリ科)は確かに「葉の形が桐に似ている」が、本種はさほど似ているとは思えない。
 ハテルマについては「宮古諸島、八重山諸島に分布」ということで、八重山諸島の1つである波照間島にちなんだものと思われる。
 幹は直立し高さ5m内外。葉脇から集散花序を出し花をつける。花は白色〜淡黄色で芳香がある。開花期についての資料は無いが、文献の写真は5月、私の写真は9月、ということで、ここでは5月から9月に開花ということにしておく。
 海岸に自生し、耐潮性が強い。防風防潮樹として利用されるとのこと。
 
 花
 
 実
 記:島乃ガジ丸 2017.7.13  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行
 『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行
 『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行
 『ニッポンの野菜』丹野清志著、株式会社玄光社発行
 『藤田智の野菜づくり大全』藤田智監修、NHK出版編
 『やんばる樹木観察図鑑』與那原正勝著、ぱる3企画発行
 『熱帯の果実』小島裕著、新星図書出版発行
 『熱帯花木と観葉植物図鑑』(社)日本インドアグリーン協会編、株式会社誠久堂発行
 『ハーブを楽しむ本』川口昌栄編集、株式会社集英社発行
 
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