サガリバナ
 15日、久茂地のクラブDセットでJIMAMAのライブを鑑賞する。ライブは午後8時の開演、仕事が終わって家に帰り、着替えて、すぐ出る。安謝経由で那覇の街(国際通り近辺のこと)へ向かうバスに乗る。7時少し過ぎた頃、パレット久茂地前で降りる。時間もあったし、ライブ会場へ行く前に寄りたい所があったので、少し遠回りをした。暑い夜だった。あまり汗をかかないように、元気の無いじいさんのようにとぼとぼ歩いた。
 (※2004年7月の話)
 国際通りを牧志方面へ向かって歩き、一銀通りを左へ折れる。安木屋の角を右へ曲がると元山形屋の裏道へ抜けるスージ(路地)がある。そのスージを入って少し行ったところの民家にサガリバナの木がある。この時期、もう盛りは過ぎてしまったが、傍を通ると、花の甘い匂いを感じることができる。遠回りしたのは、その花の写真を撮るためだった。
 予想した通り、花の盛りは過ぎていたが、少し高いところにいくつかの花房が残っていた。見上げるようにして写真を撮る。全体像も撮る。もう薄暗くなっていたので、後で見た写真は暗かった。が、ここがデジタルのいいところ。パソコン上で明るさやコントラストの調整をする。これで何とか観賞に耐えられるだろうとは思うが、やはり不満。来年は盛りの時期に訪れよう。きれいな花を、きれいに撮ってやろうと思ったのだった。
     
 JIMAMAのライブは、たくさんの立見が出るほどの盛況。イカシタ人妻と、その娘のカワイイ女子高生と三人で観賞。いいこと尽くめの夏の夜だった。
 (※以下の写真は翌年以降に撮って追加したもの)

 サガリバナ(下がり花):主木・添景
 サガリバナ科の常緑高木 奄美以南の南西諸島、他に分布 方言名:キーフジ
 名前の由来は『沖縄四季の花木』に「20~60センチ(の長さ)の花柄が出て・・・
垂れ下がる。サガリバナの名の由来はここからきている」とあった。その花柄1本に40
~50個の花蕾をつけ、藤のように房状に長く垂れ下がる。その様が藤に似ているところ
から方言名のキーフジ(木の藤)は来ている。別名サワフジ(沢藤)とも言うが、これは
本種の好適生育環境がが湿り気のある池や沼の近くであることから。
 高さは4~10m、葉は大きく長さ10~30センチほどになる。枝の先から花柄を出
し、花柄1本に40~50個の花蕾を着け、花柄の基部の方から先へ向かって次々と花を
開いていく。花色は白色または淡紅色。開花期は6月から8月。糸状の雄しべが極めて多
く、長さ3~4センチと花弁より長く、目立つ。花は夜開き、朝には落下するが次々咲く
ので長く楽しめる。花はまた、芳香を持ち、傍を通るとすぐそれと判る。
 果実の果肉部はコルク状となっていて水に浮き、種は海上を漂い遠くへ運ばれる。西原
町には樹齢450年の古木があり、その花期には多くの人が観賞に訪れるとのこと。

 花:下から

 花:近くから

 花:朝の落ちかけた花
 
 果実:秋に実る
 訂正加筆:2018.9.26
 記:2004.7.19 島乃ガジ丸  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
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