イスノキ
 先週末、国際通りを安里からパレット久茂地前まで歩いた。パレット久茂地にあるリウボウホールで、東陽一の初期の作品を上映していて、それを観るのが目的。国際通り全線を歩いたのは、若い女がわんさかいるだろうと期待して、目の保養を兼ねての散歩。
 日曜日の国際通りは、期待通り若い女がわんさかいた。若くない女も、女でない老若もわんさかいた。目立って多かったのは修学旅行の高校生。女子高生を見るのは好きだが、高校生は男も女も傍若無人に闊歩したり、たむろしたりするので、通行人としては好きでない。国際通りは、まだ工事の途中のようだが、以前に比べて歩道が広くなっている。それにも関わらず歩きにくいのは、高校生たちが横に並んで歩いているからだ。腹は立つのだが、女子高生は可愛くて怒れないし、男子高生は怖くて怒れない。オジサンは我慢しつつ歩いたのだった。

 年間の観光客数が500万人を越える今、国際通りを歩く人のたぶん半分以上は観光客となっている。地元ウチナーンチュはどこへ行くのかと言うと、新しい街、北谷アメリカンビレッジや那覇新都心、その他、郊外の大型ショッピングモールに流れている。
 このままでは地元客に見捨てられかねないと、国際通りの通り会は危機感を持っている。いろいろアイデアを捻って、楽しい通りにしよう、歩きやすい通りにしよう、人が集まる通りにしようと計画を立てて、今、その計画を実行に移しつつある。
     
 その一環の歩道拡幅工事なのだが、国際通りは街路樹にイスノキを使っていた。そのイスノキが今、撤去されつつある。通り会はイスノキを撤去し、花の咲く樹木に変えたいとでも思っているのかしらないが、イスノキは狭い歩道の街路樹としては、最適なものの一つだと私は思う。
 元々すらっとした姿、枝も適度に横に広げる性質。剪定などの管理をきちんとすれば、枝が建物に当たることなく、でも、木陰はちゃんと作ってくれる。それも年中。
 夏の炎天下は言うまでも無く、冬でも日焼けするほど陽射しの強い沖縄、その歩道に、木陰は無くてはならないものだろう。できれば植栽間隔を狭くして、緑のトンネルを作って貰いたい。日傘を差さなくて済むようになれば、歩き易い歩道になるだろう。

 イスノキ(柞):街路樹・公園樹・庭木
 マンサク科の常緑高木 国内では近畿から南西諸島に分布 方言名:ユシギ
 街路樹にイスノキは多い。高さ20mほどまで伸びるが、成長速度が遅く、強い剪定にも耐えるので庭木としても使える。剪定や刈込みで形を整えれば、庭の主木になる。花は目立たないが。この時期は結実期でたくさんの実をつける。度重なる台風の襲来で、その実もほとんどが落ちてしまった。イスノキを街路樹としている歩道には夥しい数の実が、あちこちに固まっている。
 記:2004.10.27 島乃ガジ丸  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』?沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』?海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
inserted by FC2 system