ドンベア
 散歩の途中で撮った植物動物の写真を、その日すぐにそれが何であるかを調べることはほとんど無い。週末の時間が空いた時などに図鑑を開くことが多い。忙しい日が続いた時などは何週間も後になることもある。あるいは、判別が難しそうなものはパソコンの中にしまっておいて、その存在を忘れてしまっていることもある。1年前、2年前の何物か不明な写真が、パソコンの中にたくさんある。いつか調べようとは思っているが、もう、どこで撮ったかも覚えていないので、難儀な作業になりそうだと予想される。

 ドンベアは、おそらく撮ってから数週間以内に調べたと思う。割と特異な見た目をしているので、撮った写真と図鑑を見比べてすぐに名前が判明した。ところが、どこで撮ったのかを思い出せない。写真の背景に場所を示す目印も無い。そこで、私の日記、といっても、ちょっとしたメモのようなもの、その日あったことを50字から200字くらいにまとめたもの、それが役に立つのである。
 写真は2006年12月27日12時50分に撮っている。デジカメにはそういうデータが自動的に記録される。で、その日を日記で調べる。年末のその日、現場仕事で私は首里城の近くに行っている。現場に出た際、昼休みは、弁当を食べた後はたいてい、私は近辺を散歩している。その日も12時50分は散歩の途中である。思い出した。首里城の裏手にちょとした公園がある。私はそこを歩いている。
 というわけで、私の写真のドンベアはたぶん、そこの公園にあったものであろう。

 ドンベア(dombeya):主木・添景
 アオギリ科の常緑高木 原産分布は東アフリカ、マダガスカル 方言名:なし
 ドンベアは学名のDombeya wallichii Benth. & Hook.の属名Dombeyaから。花のつきかたが派手で目立つ。セイヨウテマリ(西洋手毬)なんて和名があってもよさそう。
 花色は白から薄い桃色で、色自体はそう目立つわけでは無いが、釣鐘形をした花がいくつもくっついて半円状となり、遠めには大きな花に見えてよく目立つ。手毬といえば紅手毬(サンダンカ)を前に紹介しているが、そう、そのベニデマリみたいな花の付き方をしている。花は枝先にかたまってつき、その枝がしなるほどとなる。そこのところはまた、サンダンカスーパーキングによく似ている。開花期は9月から2月。
 高さについて文献に記載は無いが、文献の写真もそう大きいようには見えず、私が見たものも4〜5mだったと思う。庭木として使い良いと思うが、個体数は少ない。

 花
 記:島乃ガジ丸 2007.3.24  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
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